「そっか…なるほどね」
何か納得したように頷く拓真くん。
「どうかした⁇」
「ん⁇なんでもないよ」
気になったから聞いたのに笑って誤魔化されてしまった。
気になるなあ…。
「で、拓真はなんでココに来たの⁇」
お⁇
なんか木野君がムッとしてる。
珍しいな…。
「次の時間、山田の授業だから呼びに来た」
「うっわ…。忘れてた…」
山田先生。
サボりや欠席、授業態度などにうるさく文句を付けてくる社会科教師。
数回文句を言われたら単位が取れないとか…。
そのくせに、授業は驚くほどつまらなくてわかりづらい。
テストの点さえ良ければ進級できるという、この学校では珍しい先生。

