トボトボと歩きながら教室に戻ると、私の席で既にお弁当を広げている梨紗がいた。
「綺羅っ‼おっそい‼‼」
「うん、ゴメン」
なんだかボーッとしたまま梨紗の向かい側に座って、お弁当を出した。
「…何か、あった⁇」
さっきまでの怒っていた表情は消えて、心配そうな顔でのぞきこまれた。
「あ、ううん‼なんでもない。遅くなってごめんね。さっ、食べよー」
まだ、不審な顔をしていたけど、心配させたくないし、自分でもよくわからない感情だから。
まだしばらく、黙っておく事にした。
胸の中はやっぱり、モヤモヤしたままだった。

