「先生。私ね、まだ進路希望の紙出してなくて。」

「そうか。」

「朋子も、彩名も、みんなちゃんと決めてるのに…私はまだ決められなくて…どんどんこんな自分が嫌になるの…。」

「…いっぱい、悩みなさい。悩んで決めたことは、必ず、宮田のためになるよ。」

「…。」

「大丈夫。焦らなくていい。」

「はい。」


優しい先生の笑顔はモヤモヤした気持ちを消してくれた。


「ありがとうございました。先生の前で泣くのは二回目ですね。」

「そうだな。おい、それは俺が泣かしたってことか?!」

「あはは。違います。とても、落ち着くんです。先生の笑顔は。」

「まぁ、そういうことにしておこう。」