家に帰るとお母さんは珍しくもう帰っていた。
「ただいま」
「おかえり。」
私は荷物を置き手を洗ってからお母さんの手伝いをしようとキッチンへ行く。
「志保。ここはいいわ」
お母さんはあまり機嫌がよくないのか、目を合わさない。
「わかった。」
「毎日毎日バレーばっかりね。勉強してるの?」
きた…。
こういう時のお母さんにはおとなしく返事しよう。
「頑張ってるよ。」
「頑張ってる?本当かしら?」
「頑張ってるから、応援して?」
お母さんの顔は曇ったまま。
この時、どうしてすぐ部屋に戻らなかったんだろう…。
そしたら、この後に起こることを防げたのかもしれない。