「えぇっと、確か…」 なかなか出てこない答えに 焦らされている気がして いらいらしてくる。 その苛立ちが伝わったのか 横峰も思い出すのに必死で 頭をフル回転させている。 「…あっ!澤村。 紳司と同じ、澤村!」 「下の名前は!?」 「下の名前まで覚えてねーよ、 紳司以外興味ねぇし。」 そこが重要なのに…!! 横峰に聞いた俺が間違いだったと思った。 女子に聞くしかねぇか… 「澤村太一、21歳。」 そう告げたのは横峰の上に 覆い被さった上浜夏樹だった。