ブラザーズ~青い空へ~

『千佳!ただいま!龍は?大丈夫?』

『あっ!おかえり!慶太郎!帰ってきたの?仕事大丈夫?龍ちゃんは今寝てるよ』

『そう。ありがとう千佳。学校に迎えに行って病院まで連れて行くのは大変だったでしょ。凛太郎もいるのに』

『大丈夫だよ!それぐらい!ただ龍ちゃんの熱が高いからね。今しんどいと思う。何もいらないって言うし。でもなんかちょっとでも食べてくれないと困るから雑炊作るね。お薬も飲ませなきゃ』

『うん。ありがとう。凛太郎も寝てるのか。ちょっと龍を見てくるよ』

『うん!』

『あっ!龍!起きた?大丈夫?』

『ふぇっ、け、慶太郎兄ちゃん、だ、抱っこしてーっく、うっく、っく』

『はいはい。おいで。龍!しんどいね。朝からしんどかったの?ごめんな。気づいてあげられなくて』

『うっく、あ、朝はしんどくなかったー!学校行ってから、っく、、ちょ、ちょっとしんどくなったの。うっく』

『そう。龍!お熱計ってみようね。お薬飲まないといけないからご飯ちょっと食べようか?お姉ちゃんが今雑炊作ってくれてるからね。39度か。高いな。しんどいね』

『うっく、いらない!うっく』

『何か食べないとお薬飲めないんだよ。お薬飲まないとずっとしんどいままなの。ゼリー食べる?』

『っく、い、いらない!』

『じゃあ龍は何が食べたい?なんか食べないとダメ!あっ!千佳!ありがとう!置いといて!俺が食べさせるよ。俺が見てるから千佳は凛太郎を見てて』

『うん!慶太郎!熱計った?39度になったら座薬入れてって。お水とお薬もここにあるからね。おでこのシートも替えてあげて』

『はい。わかりました。39度だったよ。もう座薬入れた方がいいね。しんどいからグズっちゃってるし』

『そうだね。病院ではまだ37度8分だったんだけど上がってきたね。座薬入れてあげて。あとフルーツとかも持ってきたから食べれるものを食べさせてね』

『うん。わかった。ありがとう。龍!お熱高いから座薬入れよう!お尻出して』

『ふぇっく、い、いやー!うっく、うわあーん!いやー!っく、うっく』

『はいはい!終わった!はい!おいで。気持ち悪かったね。でも熱を下げないと龍がずっとしんどいんだよ。もう泣かないの。龍!どれ食べる?りんごは?りんごすってくれてるよ。食べる?』

『うっく、た、たべる。っく』

『はい。じゃあ食べよう』

はぁー。参ったな。やっと寝てくれたか。とりあえず隔離ですね。これで虎や想史郎まで風邪がうつったら大変だ。まあ想史郎はグズる事はないだろうけど虎はやばいぞ。龍以上にグズるからな。虎と凛太郎はうつるとまだ小さいから手がかかるし凛太郎なんか喋らないんだからしんどいって言ってくれない分気をつけないとな。去年お義母さんが亡くなってからすぐに虎が風邪ひいて大変だった。治ったかと思いきや龍にうつって俺が看病で倒れそうだったよ。慎二郎と悠が助けてくれたからなんとかなったけど俺だけでは無理だった。慣れない看病を2人もなんて。千佳がいてくれて助かるけどまだ他の子達の面倒を見ながら凛太郎も見て龍の看病まではさすがに無理させるから帰ってきたけど仕事しなきゃいけないんだよな。

『慶太郎!龍ちゃんどう?』

『やっと寝た。薬が効いてきたのかな?とりあえずリンゴと雑炊をちょっとだけ食べてくれたよ。目が覚めたら携帯を鳴らすように言ったから俺は書斎で仕事しておくよ。凛太郎は大丈夫?』

『うん!凛ちゃんはミルク飲んでご機嫌だよ!慶太郎!お昼食べてないんでしょ?持ってこようか?』

『いや千佳が作ってくれた弁当があるから食いながら仕事させて頂きますよ。とりあえず龍は俺が見るから千佳はやることやって。忙しいでしょ?悠達が帰ってくるともっとバタバタしなきゃいけないわけですから。龍の看病ぐらいは俺がしますよ』

『うん!わかった。じゃあ凛ちゃん連れて夕飯の買い物行って来る。その後悠ちゃん達のおやつを作るね』

『はい。お願いします』

あー悠や虎が友達連れて来たらうるせーんだろうな。あっ!起きたか。はいはい。今行きますよ。

『龍!起きたの?すごい汗だね。着替えてスポーツドリンク飲もうか。はい。バンザイしてごらん』

『っく、アイスた、食べたい!うっく』

『アイスね。わかったよ。着替えたら食べようね。持ってきてあげるから。はい!ジュース飲んでて。汗いっぱいかいてるからね。俺アイスとってくるから待っててよ』

『っく、うん!』

仕事が進まねーな。ヤバイっすね。やっぱ家政婦はいるんじゃないんですかね。千佳は家事が負担だろう。ガキが6人もいるんだからね。育児だけで大変じゃん。俺が風邪をひいた時に壮ちゃんはずっと俺を看病してくれていたよね。壮ちゃんが俺にやってくれていたから俺も龍や虎に同じ事が出来たんだ。壮ちゃんが教えてくれていなかったら俺は龍や虎にどうしてやればいいのかきっとわかんなかったよ。俺も座薬入れられる時泣いていたね。お尻叩かれるって勘違いしたのかな?なんで泣いたんだろう?やっぱ気持ち悪いからかな?壮ちゃんも大変だっただろうな。俺はしょっちゅう風邪ひいてたし。寝ないで居てくれたんでしょ?本当に俺は壮ちゃんに愛されていました。俺も壮ちゃんみたいにあいつらに愛情を与えられるように頑張るよ。

『龍!お熱計ろうか。アイス美味しい?ちょっと下がったね。お薬が効いてるよ。大丈夫だから早く治るように頑張っていっぱいたべようね。桃は?食べる?』

『うん!食べる。僕まだあついの?』

『うん。まだちょっと熱いね。大丈夫。ご飯食べてお薬飲んで寝てたら治るよ。はい。こっちむいてごらん。アイスが口にいっぱいついてるじゃん。いいよ。次は桃食べるんでしょ?はい。どうぞ。食べたら寝てようね』

『うん!』

まだ7歳だもんね。でもアイスぐらいはもうちょっと上手に食べれないかな。こんなもんだったっけ?虎もなんだけど。甘えん坊の双子だからね。お義母さんも大変だっただろうな。凛太郎だけでも俺は大変だと思うのに双子の赤ちゃんだからもっと大変だったでしょ。お義母さん!龍と虎を6歳まで元気に育ててくれてありがとうございます。あとは俺に任せてください。

『ただいまー!お姉ちゃん!おやつはなに?』

『虎ちゃん!おかえり!今日はパウンドケーキ作ったよ!ランドセルをお部屋に置いたら手を洗ってうがいしてから食べようね!』

『うん!わかった!』

『おう!虎!おかえり!龍が風邪ひいてお部屋で寝てるから静かに上がってよ!』

『龍はもう帰ってんの?慶太郎兄ちゃん!抱っこしてよー!』

『はいはい!おいで!虎!ただいまは?』

『もう言ったよー!』

『あっそう。俺は聞いてないんですけどね。ん?虎!しんどいの?お前も熱あるんじゃないか?ちょっと熱はかろう』

『いやー!ないよー!おやつ食べるの!』

『わかったからとりあえずランドセルをお部屋に置きにいこうね。はい!虎!熱計って!早く!しんどくなったら泣くのはお前だよ。抱っこしてるからちょっとだけ挟んでて』

『今日さーツバサくんとダイキくんがお家に遊びに来るからね!もういい?手を洗ってくる!おやつ食べるの!』

『うん。手を洗ってうがいしてよ!おやつ食べたら病院に行こうね。虎!今日は遊べない!お前も熱がある』

『えー!ダメだよー!約束したから無理!』

『無理じゃねーよ!今日はダメ!どうせ夜になって泣くのはお前なんだよ!早く手を洗っておやつ食べなさい!おやつ食べたら病院連れて行くからね。悠も帰ってくるだろうし』

『ゲームしてから行くよ!』

『ダメ!今日は遊べないって言ってるでしょ。熱があるの。早く病院に行っとかないとダメなの!わかった?』

『いやだー!行かないよー!遊ぶの!』

『またお前は言う事を聞かないね。お尻叩くしかないかな?言う事聞かないとお尻叩くっていつも言ってるもんね。虎!わかったの?わかんないの?どっち?』

『いやだー!うわぁーん、いやーうえーん』

『泣いてもダメなものはダメ!ツバサくんとダイキくんに風邪がうつったらかわいそうだろ!はい!おいで!もう早く手を洗って!ガラガラしてごらん!今日おやつなに作ってくれたって?』

『っく、け、ケーキ!うっく』

『良かったね。いつもお姉ちゃんがおやつ作ってくれていいね。はい。食べよう。ちゃんと座って!虎!』

『うっく、い、いやー抱っこしてーひっく』

『どうしたの?虎ちゃん!牛乳入れたよ』

『虎も熱があるんだ。遊べないから泣いてるのとちょっとしんどくなってきてるんだよ。悠が帰ってきたら俺が病院に連れて行ってくる。まさかと思ったけどやっぱりだな。こういう時はだいたい一緒なんだよ』

『元気に帰ってきたのにお熱あったの!ごめん。気づかなかったよ。やっぱりすごいね!慶太郎!よく気づいたね』

『いや抱っこしたからわかっただけだよ。習慣になってて良かった。虎!おやつ食べないの?どうするの?もう病院に行く?』

『うっく、いやー!たべるの!っく』

『食べるの?じゃあ座っていただきますしようか?』

『っく、う、うん!』

あー最悪なパターンだ。キツイね。まだ今は食欲があるだけマシか。でも夜には高熱だな。すでに37度7分だからね。いくら子供は体温が高いと言えどもこれは龍と同じパターンだろ。今日は徹夜か。参ったね。