ブラザーズ~青い空へ~

『ただいま!』

『おかえり!慶兄!虎!大丈夫か?虎!飛び出すなっていつも言ってるだろ!』

『う、うん。ごめんなさい。悠兄!』

『良かった』

『虎!大丈夫?ちゃんと右と左見なさいって言われてるじゃんか』

『うん』

『悠と龍も気をつけなきゃいけないよ。龍!右と左をちゃんと見てても車やバイクはいつどこから急に現れるかわからないんだからね。道路は本当に危ないんだよ。だから龍も気をつけてね。悠もだよ!俺はお前らを誰一人失いたくないんだからね。虎がこんな事になって虎の顔を見るまで本当に心配で心配でたまらなかった。もうこんな思いはしたくない。悠之心!龍之助!そして虎之助!お前らは俺の宝なんだよ!これから絶対に道路ではもっと気をつけてくれ。頼むよ!』

『うん。わかったよ。慶兄!』

『僕も気をつける!』

『うん。わかってくれてありがとう。虎はあんまり動きまわっちゃダメだから悠!虎の手助けしてやってね』

『うん!わかった!大丈夫だよ!俺見てる』

『ありがとう!悠之心!』

『悠兄!龍!慶太郎兄ちゃんが新しいゲーム買ってくれたよ!拓海兄ちゃんと悠兄と龍のもあるんだよ!ゲームやろう!』

『え?マジ!これはクリスマスしか買ってくれないって言ってたじゃん!』

『しょうがないだろ。虎がじっとしてるわけないんだから。新しいゲームでもなけりゃ安静なんかしてくれないからな。虎だけに買うわけにもいかないしね』

『やった!ついででもラッキー』

『早く!悠兄やろう!線つないで!』

『虎!おやつは?先に食べなさい!あとでリビングに連れて行ってあげるから!』

『うん!お姉ちゃん!あのね。ごめんね』

『うん!もう本当に心配したんだよ!虎ちゃん!たいした事なくて良かったね。でも怖かったし痛かったよね。今度から絶対気をつけようね』

『うん。お姉ちゃん!ギュッてしてあげるから泣かないで!』

『うん。ごめんね。ありがとう!虎ちゃん!はい!おやつ食べようね。ゲームするんでしょ?牛乳飲もうか?今日はホットケーキ作ったんだよ!』

『うん!』

『千佳!ごめん。俺を止めてくれてありがとう。千佳が止めてくれてなかったら俺は相手を殴ってたよ。本当にごめん。ありがとうございます!ご心配をおかけしました』

『うん!でも本当に良かった。電話があった時心臓が止まるかと思った。慶太郎にパニックな状態で電話してしまってごめんね。よく状況もちゃんと聞いてなかった。ダメだね』

『そんなことないよ。俺だって病院に着くまでイライラしてこんなに病院が遠く感じるなんて初めてだ。前を走る車が邪魔でしかないし虎はどんな状況なんだろうって痛くて泣いて苦しんでないかってもう俺は泣きそうだったからね。はぁー心配した。一気に疲れたよ』

『悠!虎は?虎!大丈夫なのか?何やってんの!危ないじゃん!でも大丈夫そうだな。良かったー!俺、ちょー心配したんだよ!』

『うん。僕大丈夫だよ。拓海兄ちゃん!ごめんなさい!』

『はぁー良かったよー!』

『ごめんなさい!拓海兄!勉強の邪魔しました』

『いいよ!そんなの!悠!お前も不安だったんだろ!良かったな!メール見てマジびっくりしたけど』

『うん。ありがとうごさいます!拓海兄!あっ!あとこれ!拓海兄のゲームソフト!虎が動けないから俺らのはついでだけど買ってもらえたのはラッキーでしょ?』

『えー!マジ!ラッキーだ!いやラッキーじゃねーんだけど手に入ったのはラッキーだな!慶太郎兄ちゃん!千佳ちゃん!ただいま!千佳ちゃん!ジュース飲みたい!俺、喉渇いたー』

『拓海!お前!予備校は?まだ授業中だろ!なんで帰ってくるんだよ!』

『普通に帰ってくるでしょ!俺だって虎が心配で授業なんか頭に入んねーよ!電車がおせーってイラついたよ!駅についてちょーチャリ飛ばして帰ってきたんだよ!今日ぐらいいいじゃん!俺、天才なんだから大丈夫だよ!なに?』

『ありがとう!拓海!お前も俺にそっくりだな!虎を心配してくれてありがとう』

『久々に抱きしめられると照れるじゃん!あっ!慶太郎兄ちゃん!俺もゲームやっていい?今日だけやらしてよー!俺、天才だから高卒認定ぐらい余裕だって!』

『自信を持つのはいい事だけど君は過剰過ぎて凡ミスなんかやめてくださいよ!今日はもう帰ってきちゃったんだからいいよ!』

『やったー!千佳ちゃん!腹減った!なんか食う物ないの?』

『ホットケーキがあるよ!拓海くんの分もちゃんと残してあるから!食べる?』

『うん!食べる!』

『兄貴!虎は?』

『おう!慎二郎!お前も授業抜けてきたか。大丈夫だよ。心配かけたな。今、リビングでゲームしてるよ』

『そっか。大丈夫なんだ!良かった!おい!虎!お前!いつも飛び出すなってどんだけ言えばわかるんだ!危ないだろ!』

『あ!慎二郎兄ちゃん!びっくりした!だからごめんなさいって言ったじゃん!』

『はあ?お前逆ギレか!俺は心配して車飛ばして帰ってきたんだぞ!しかも俺は謝ってもらってねーよ!でも良かった。たいした事なくて良かったよ。心配したんだぞ。もう気をつけろよ』

『うん。慎二郎兄ちゃん!ごめんなさい』

『慎兄!みんな同じ気持ちだよ。マジ心配した。でも帰ってきてくれてありがとう』

『あー。疲れたー。んで何?そんな最新のゲームうちにあったっけ?』

『いやなかったよ。虎が動けないからさっき慶兄が買ってきてくれた。虎を安静にさせる為にゲームソフトを買ったんだって。俺らのはついでだけど得しちゃった』

『はあ?甘っ!んで俺のは?』

『慎兄のはねーよ。お小遣いいっぱい貰ってる上にさらに毎月小遣いせびる慎兄に買う気なんかさらさらねーんじゃねーの?』

『お前!喧嘩売ってんのか!悠之心!』

『売ってませんよ。事実を言ってるだけです』

『ホントお前生意気になってきたよねー。あーチビの頃はかわいかったのになー。ちょっと!兄貴!俺だって心配して1時間もかけて帰ってきたんすけどなぜか俺には何もないのはどういう事っすか?』

『なんでお前に買わなきゃいけないんだ!昨日も追加の小遣い振り込んでやったばかりだろ!お前の弟だ!心配して当然だろ』

『はい!貰いましたね!すいません!あーでも良かった。なんか疲れたよ。千佳さん!俺もコーヒー下さい!』

『うん!慎二郎くんも晩ご飯食べて帰らない?』

『はい!食って帰ります!お願いします!』

虎ちゃん!虎ちゃんには優しいお兄ちゃん達がいっぱいいていいね。本当にみんな心配したんだよ。本当に慶太郎は誰も失いたくないんだよ。君達はみんな慶太郎の宝物なんだからね。私も守りたい!慶太郎!本当に良かったね。虎ちゃんはなんだか小さな慶太郎だよ。抱きしめてくれるんだもん。

『慶太郎!私、明日から虎ちゃん達の学校へ送り迎えするよ!足が治るまでは!悠ちゃんは行きは一緒に学校に送っていけるけど帰りが悠ちゃんは6限まであったりするし毎日虎ちゃん達と一緒じゃないけどなるべく迎えに行くよ』

『あーうん。悠はでも大丈夫でしょ。行きだけでいいよ。帰りは彼女と帰ったりとか彼のプライベートもあるだろうし。龍と虎だけ送り迎えお願いします。とりあえず虎の足が治るまで。まだあいつらは1年生だからほんと気をつけるようによく言い聞かせないとね。んじゃ俺仕事に戻るよ。慎二郎!拓海と一緒に龍と虎を風呂入れてくれよ!あいつら抱っこしてやって』

『了解しました!』

『ゲームしてる弟君達!俺仕事戻るからね。全員いい子にしててよ!拓海!悠!頼んだよ!』

『はい!わかりました』

『はーい!』

『うん!いい子にしてる』

『俺が抱っこして虎を部屋に連れて行って寝かせるよ!だから大丈夫だよ!慶太郎にーちゃん!』

『うん!ありがとう!拓海!頼んだよ!』

『慶太郎!気をつけてね!今日も遅いんでしょ?慶太郎も絶対無事に帰ってきて!』

『うん。大丈夫だよ千佳!ありがとう。じゃあガキんちょ達に飯をお願いします』

『うん!わかった!』

やっぱりゲームしてる時は夢中だからじっとしてるな。飽きられたらどうしよ?2つも買ったんだから2週間ぐらいは持つよな?虎!安静にしててくれよ。よし!俺は仕事頑張るかな。