ブラザーズ~青い空へ~

『はい。じゃあ今日は龍と虎がお姉ちゃんとアニメの映画を見てる間に俺と拓海と悠は秋冬物の買い物をして映画が終わったら龍と虎の秋冬物を買う。そして晩飯を食って帰るって予定でいいですか?』

『いいでーす!』

『異議なし!』

『俺も異議なし!』

『僕はゲームも買う!』

『虎!ゲームは買わない!服と靴を買うの。虎は誕生日にプレゼントいらないの?』

『いやー!いる!』

『じゃあゲームは今いらない。いっぱいあるでしょ。それに虎にはサンタさん来ないかも知れないね。わがままばっかり言ってるでしょ!』

『いやー!サンタさん!来るよ!』

『じゃあいい子にしてないと。虎の事を見てるよ!大丈夫?』

『僕いい子にしてる!』

『はい!じゃあ俺シャワー浴びて来るからゲームして待っててね!悠!ちょっとおいで!』

『え?なに?』

『お前の部屋に行くよ!』

『なんで!』

『なんでかは自分がよく知ってるじゃないの?』

今日は悠に泣いてもらうよ。お前俺よりちょっと早いよ。まあ俺は使いきれない程金持ってたから盗む必要がなかったわけだけど。それはそれで異常だ。俺も自分の財布の中身は覚えてなかったけど悠に注意したんだから俺も中身ぐらい把握しておかないとと確認取ったんですよね。そして1番に起きたのはお前でありリビングから出てきたお前は俺と遭遇していつもクールなお前がソワソワして俺の目を見れず部屋に着替えに行った。リビングに置きっぱなしのまま寝た俺も悪いんで後でしっかり反省しますよ。

『知らない!すいません』

『なんだよ?知らないって言ってすいませんてなんなの?どうなんだよ!お前の財布の中身はいくらだったっけ?』

『758円です』

『ですよね。んで今財布にいくら入ってんの?』

『だからすいません』

『だからすいませんってなんだよ!いくら入ってんだよ?財布出せよ!』

『はい』

『10758円にどうやったらなるの?』

『俺が盗ったから。すいませんでした』

『お前今日は本当に反省するまで終わらないよ!やっていい事と悪い事ぐらいもうわかるだろ。俺の書斎行こうか!』

『え?なんで?ごめんなさい』

『本当に反省してからごめんなさいって言ってくださいね!ほら!来い!お前なんか抵抗したって簡単に持ち上がるんだよ。ビビるんだったら最初からするな!今日は尻を出すよ!お前は盗んででも欲しい物を買ってもいいと思ったんだろ?軽い気持ちで1枚ぐらい抜いてもバレなきゃいいと思っちまったか?』

『痛い!っく、痛い!うっく、ひっく、痛い!っく、も、もうしません!痛いよー!っく、うっく、いたっ!っく、痛い!ご、ごめんなさい!っぐ、痛いっ!』

『悠!何を買おうと思った?』

『っく、ま、漫画代の千円ぐらい盗ってもわかんないと思って慶兄の財布見たら一万円札の方がいっぱいだったからゲームソフトも買いたいし千円より一万の方がいいに決まってる。それなら漫画もついでに多く買えると思った』

『お前は正直だね。そんな事をしてお前は罪の意識を感じなかったの?』

『っく、感じた。でももう遅い。俺が悪い。慶兄が一生懸命働いてくれてるのに俺は、っく、俺はバカな事をした。お母さんにもきっと見られてる。俺の事を捨てて。慶兄もお母さんも傷つけた。だから俺はこの家にいらない。っく』

『お前は本当にバカだな!悠!俺はお前が何をしてもいらないなんて思う事は絶対にない!お前が俺と違うところはしっかり反省できるところだ。おいで!悠!いい?二度とするな!それから捨ててなんて言わないでくれ。お前は犬や猫じゃないんだよ。俺の大事な弟だ!お母さんに謝っとけ。お前のやった事はお前が反省しているから俺が許す。お前は許されない事をやったわけじゃない。反省して二度としなきゃそれでいい。他人を傷つける事だけはしないでくれよ。お前はわかるよな?』

『っく、うん!ごめんなさい。慶兄!ごめんなさい!』

『もういいよ。悠!痛かっただろ?悪いことする前に思い出せよ。わかった?』

『っく、わかった。うっく、お母さんも許してくれるかな?がっかりさせたよね』

『うん。でもお前が反省している事も見てるだろうから許してくれるよ。家族だから。他人を傷つけてしまうとそう簡単に許される事はない。家族だから許されるんだよ。はい!もう泣かない!お前は来月のお小遣いはなしだよ!別にお小遣いなしでも生活は出来るし必要な物は俺が買うんだからね。いいな?』

『っく、はい!一万返す』

『悠が自分で考えて募金しなさい』

『はい!』

『よし!行くぞ!顔洗っておいで!』

『うん!』

悠之心!お前がやった事はまだかわいい事なんだよ。どんなに悪さをしても許されない事だけはするな。取り返しのつかない事だけはやめてくれ。お前は本当に俺より反省出来てるよ。お母さんの事まで考えられるならお母さんを泣かせる事をするんじゃないよ。壮ちゃん!今日拓海に続いて悠之心にお仕置き棒を使ったよ。だいぶん手加減をしたけどね。壮ちゃんも手加減してくれてたんでしょ?それでも尻を出されてたら痛いよ。それに壮ちゃんはお仕置き棒だけで終わらなかったじゃん。泣く程痛いのにさらに手で叩かれて何度も泣かされた。悠にも尻出して反省させようと思っていたけどあいつは俺より出来が良いみたいでコーナータイムは必要なく反省出来ていたよ。俺にも悠ぐらい反省することが出来ていればまた俺の人生は違ったのかな。あいつの中でもお母さんの存在はやっぱりデカイんだね。悠のお母さんはちゃんと悠を愛していたからきっと悠は乗り越えていくよね。お母さんに愛された想い出をしっかり胸にしまって乗り越えてほしい。

『はい!じゃあみんな秋冬物も買ったし晩飯食って帰って風呂入って寝ようね!何食いたい?』

『俺焼肉食いたい!』

『僕も焼肉がいい!』

『俺も!』

『虎は?虎は寝てる?最悪だ。またグズるんじゃねーか?んじゃ焼肉食って帰ろう』

『この前海の帰りに行った焼肉屋さんおいしかったじゃん!あそこにしようよ!慶太郎!』

『そりゃあ美味しいでしょうよ。黒毛和牛の専門店ですからね。ガキには10年早いぐらいのいい肉ですよ』

『へぇーなんだか高級そうな雰囲気はしてましたけど慶太郎くんは自分だけ美味しいものをいつも食べてるんですね!』

『はい?なんでキレるんですか?俺だってしょっちゅう行ってるわけじゃないですよ!接待とかで行くぐらいですよ!昼は千佳の弁当食ってますし夜だって基本コンビニ弁当か家に帰って食ってるじゃないっすか!』

『接待とかって言いましたよね?とかって何ですか?接待の他にあるんですか?』

『いやないですよ!とかって言うのは打ち合わせでも使った事があるからとかって言ったんですよ。なんでそんなに絡むんすか?俺なんかしました?』

『別に絡んでないですよ。私達には良すぎる肉みたいですから別の店でもいいですよ』

『行きますよ!ちゃんと向かってますよ!だって龍や虎なんかファミレスのハンバーグで充分喜ぶレベルなんだからまだ味なんかわかんねーだろうなと思っただけですから』

『そりゃあわかんないでしょうよ。外食するってなるとファミレスばっかりしか連れて行ってくれないんですからね』

『そうですね。俺が悪かったです。食いたいモノをバラバラで言われるとめんどくさいんでファミレスでいいかってなるじゃないっすか。もう着きますから。なんでも好きなモノを頼んで下さいよ!』

『わかりました!じゃあ私は特上ロースをお願いします!』

『慶太郎にーちゃん!俺特上カルビ!』

『俺も特上ロースがいい!』

『はいはい。もうなんでも食って下さい!はい!着きましたよ!おりて下さいね!あー虎は抱っこか。虎!起きて!ご飯食べるよ!虎!置いてくよ?いらないの?』

『いやだー!ふぇっく、うわあーん』

『泣かないの!眠たいね。はい!おいで!抱っこしてあげるから!もう靴履かなくていいからおいで!座敷だしすぐ脱ぐんだから』

『っく、うっく、く、靴持って!』

『持ってるから大丈夫!虎!焼肉好きだよね。いっぱい食べようね!』

『っく、や、野菜いらない!うっく』

『それはダメ!ちょっと食べようね。ご飯食べたらアイス食べようか?』

『っく、うん!食べる!』

はぁー。アイスにつられたか。かわいいな。疲れたー。ビール飲みたいね。千佳は運転かわってくれるんですかね?悠は海外の子供達の命がワクチンの予防接種で助かるのならとそこに俺から盗んだ一万円を募金すると決めたらしい。次やったら尻出して立たせるぞ。まあお前はもうないだろうけど。次は何をやらかしてくれるんだろうね。俺もしっかり反省しますよ。千佳にも怒られていたんだよな。酔っ払って帰るとあっちこっちに時計や財布を置いてるってね。ネクタイやスーツも脱ぎ捨ててるみたいで。そんなつもりはないんですけどね。昔から管理が悪く怒られてばっかりですよ。酔っ払ってる時は少しぐらい大目に見てくれないかな?こういう所から俺は反省が足りないんだろうな。