ブラザーズ~青い空へ~

『ただいま!』

『おかえり!遅かったね!公園にいなかったの?』

『うん。いなかった。駅の方にいたよ。もうついでに携帯と腕時計買ってきた。アラームセットしてやって帰る時間にはちゃんと帰ってきてくれないと心配だからね!虎!ご飯だから手を洗ってうがいしておいで!』

『うん!』

『そうだね。子供って夢中になって遊んでたら時間がわかんないだろうからね』

『こんな事なら悠の時計買った時に一緒に買っとけば良かったよ。二度手間になった。悠のもだけど龍と虎のも防水だし衝撃にも強いやつだからまあ1年ぐらいは持つでしょ。腕時計はあいつらには必需品だったね。時間を守れって言うんだったら時間がわかるように配慮してやるべきだった。携帯と腕時計を持たすんだからこれからは時間がわかんなかったなんて言い訳はもう出来ないしちゃんと守ってほしいんだけどね』

『うん!そうだね。遅くなると怖いもんね。不審者もいるし。慶太郎!ご飯にしよう!』

『うん。悠!龍!はい!これがお前らの携帯。んで龍の腕時計ね。遊びに行く時は絶対携帯持って腕時計はめて行ってよ!んで時間までに必ず帰ってくること!わかった?』

『うん!わかった!』

『はい!』

『はい!じゃあご飯を作ってくれたお姉ちゃんに感謝していただきます!』

『いただきまーす!』

『虎はご飯食べたらすぐ宿題だよ!明日サーフィン連れて行かないよ!』

『いやだー!やる!』

『悠は終わったんだろうね?』

『うん!終わった!』

『ごちそうさまでしたー!悠!ゲームやろうぜ!』

『はい!ごちそうさまでした!』

『僕もやるー!ごちそうさまでした!』

『虎!お前は宿題が先でしょ!後回しにするから遊べなくなるんだよ!それにお前は充分遊んできただろ!』

『いやー!やりたーい!うわあーん!』

『ごちそうさまでしたー!僕もやる!』

『泣いてもダメ!さっきやるって言っただろ!早くやっておいで!虎!』

『いやだー!僕もゲームやるー!うわあーん!いやー!うえーん!っく!ゲームしたい!』

『じゃあ明日虎はお留守番しとくんだね?』

『いやだー!うわぁーん!いやーうわぁーん!っく、うえーん、うっく、いやー!』

『うるさい!勝手な事ばっかり言うな!もうお仕置きだな!やることもやらない言われた事も守らない!お仕置きされるには充分だ!』

『いやー!いったい!痛い!うわあーん、いたいよー痛い!いやだー痛い!っく、痛いよ!ご、ごめんなさい!痛いよー!うぇーん、痛い!いやー!っく、痛いよー嫌だー!する!いたいー!うわぁーん』

『宿題やるの?学校から帰ったら龍みたいにすぐにやっていたらお前もゲーム出来てたんだよ!龍が宿題してる間にお前は遊んでたんでしょ?だったら今遊べないのはしょうがないだろ!自分が先に遊んだんだから!やらなきゃいけない事はちゃんとやりなさい!わかった?』

『っく、うわあーん、わ、わかった、うっく』

『はい!パンツあげて。おいで!虎!抱っこしてあげるから。俺が見てるから一緒に宿題やろうね』

『っく、うっく、う、うん!っく』

『じゃあ早くやってしまおう。お部屋行くよ。はい!座って。宿題出してよ!』

『これ!っく、うっく』

『これだけ?一枚だけ?ほんとかよ!連絡帳出してごらん。ドリルもあるじゃん!嘘つくな!嘘ついたらダメだって言ってるだろ!もう1回お尻叩くぞ!』

『い、いやー痛い!いたーい!ご、ごめんなさい!いやー痛いよーうわあーん、いたいーうえーん、いたいよー』

『虎!嘘をついたらダメなの!絶対俺に嘘をつくな!次はもっと痛いぞ!わかったか?』

『うっく、わ、わかった!うわあーん!』

『はい。もう泣かないの。虎!嘘はつかないで!虎に嘘なんかついてほしくない。悲しくなるよ。本当にわかってくれ』

『っく、うん!うっく、ご、ごめんなさい。うっく、ぼ、僕のこと嫌いにならないで!っく』

『ならないよ!虎!俺は虎を嫌いになんてならないしなれないよ。俺はお前が大好きで大事なの。大切なんだよ!虎!わかってくれよ』

『っく、僕もけ、慶太郎兄ちゃん大好きで大事!うっく、っく』

『うん。ありがとう。虎!はい!おろすよ。ちゃんと座って。宿題やろうね。虎!わかんないところは教えてあげるからわかるとこからやってごらん』

『うん!』

家庭教師つけるかな。宿題だけ教えてやらせてくれたらいいんだ。多くは望まねーよ。つまずいてわかんないとやる気もなくなるもんね。1時間来てくれればいいから虎に宿題をやらせてほしい。

『虎!俺が仕事だと教えてあげられないから宿題を教えてくれる虎だけの先生を家に来て貰って教えてほしい?月曜から金曜まで毎日ご飯のあとに先生に来て貰って先生に宿題教えてもらう?そしたら学校から帰ったらいつも通り時間まで遊んでご飯食べたら先生と宿題するから土曜、日曜も遊べるよ。どうする?』

『僕だけの先生来てほしい!そしたらすぐ宿題終わるね!』

『うん。そうだね。でも宿題をやるのは虎なんだよ。先生はわからない所を教えてくれるだけだからね!わかってる?月曜から金曜だよ。ご飯食べて先生来たら一緒にやるんだよ!わかった?』

『わかった!』

よし。これで宿題の心配はないな。宿題さえやらしてくれれば俺はいいんだ。龍もいるかな?あいつは受験したいなら今からコツコツやってりゃ慌てなくて済むか。まあ俺としては中学までは同じ学校に行ってほしいけど本人の希望がありゃしょうがないよな。

『はい!頑張ったね!虎!お風呂に一緒に入ろう。明日のサーフィン虎は上手に出来るかなー?虎は海好き?』

『好き!僕、体育上手だからできるよ!』

『虎は出来そうだな!さあお風呂はいろう!お前は俺と一緒で左利きだから手が真っ黒になってるよ!』

『うん!入る!慶太郎兄ちゃん!抱っこしてよー!』

『はいはい!おいで!龍!お風呂入るよ!お前もおいで!』

『えー慶太郎にーちゃん!俺も一緒に入りたい!』

『じゃあ俺も入る!』

『はいはい!じゃあ全員入るよ!』

『はーい!』

12月には俺のガキが生まれる。えっとー6人の子持ちと一緒だな。頑張らないとね。慎二郎の学費もまだまだかかるしその後は拓海の学費もいるし龍が私立の中学行くなら大学も行くんだろうしね。悠や虎だってわからないしな。大学行くなら行かせたい。俺は一生働き蜂やってろって事ですね。

『はい!龍と虎はもう寝る時間だよ!明日は早く起きないと海行けないよ!』

『慶太郎兄ちゃん!お姉ちゃん!おやすみなさーい!』

『はい!龍!虎!おやすみ!』

『龍ちゃん!虎ちゃん!おやすみ!』

『拓海も悠もいつまでもゲームやってたら起きれないぞ!悠は22時には寝ろよ!俺仕事してくるけどお前時間になっても起きてたらお仕置きするからな!拓海はちょっと待ってろよ!俺、仕事片付けてしまうから!』

『はい!ちゃんと寝ます!』

『うん。わかったー』

あー頭いてーな。完全に寝不足の頭痛か?拓海も寝かせなきゃいけないし俺も早く寝たい。拓海が1人で眠れるようになるにはどれくらいかかるんだろう?まさかの1年はかかるのか?大学は家から通うにしても1人で寝てくれなきゃ困るんですけどね。あいつの闇はどこに原因があるんだろう。まあまだあいつはわかりやすいから扱いはラクだな。問題は悠之心だ。思春期にお前は荒れないで乗り越えられるかな?母親の死。でもお前の母親は事故だからね。お前らを置いていくつもりなんて全然なかったんだよ。お前らをとても愛してくれていただろ?俺とは違うから大丈夫だよな?悲しみはちゃんと受け止めなきゃいけないけどね。お前らが乗り越えられるよう俺が全力でお前達に愛情を届けたい。俺の気持ちがちゃんとお前達に届くのか自信はないけど俺はお前達を愛してるよ。

『慶兄!入るよ!俺、寝るね!明日楽しみにしてる!おやすみなさい!』

『悠之心!ちょっと来い!今年の誕生日からお母さんがお前のそばでお祝いをしてくれないけどお前の事をちゃんと見てるって俺は思う。お前が大人になっていくのを見守ってくれてる。お前は愛されたよね?これからも愛されるんだよ。俺はお母さんには勝てないと思うけどお前を愛してるし俺はお前のそばでお前が大人になっていくのをちゃんと見てるからな。ゆっくりでいいよ。お前は愛されていた事を忘れるな!おやすみ!悠之心!』

『うん。慶兄!本当に俺の事見てて。俺が大人になるまでずっと見ててよ。俺、慶兄に愛されてるのはわかってる。わかってるから今年の誕生日も笑えたんだ。これからもずっと俺は笑えるよ。慶兄に兄弟に家族に俺は愛されてるから。慶兄は?慶兄は笑って自分の誕生日を迎えてくれたの?』

『あぁ。俺も笑って迎えたよ。ありがとう悠!はい!早く寝なさい!おやすみ!』

『うん!おやすみなさい!』

お前は笑って迎えてくれたのか。良かった。お義母さん!悠は大丈夫だよね。貴方から愛されていたんだから。壮ちゃん!これぐらいの嘘はいいよね?虎に嘘をつくなって叱ってるけど誰かを傷つけたり心配させたりしない為の嘘は許されるんでしょ?嘘も方便って言葉だってあるんだから許される範囲だよね?まあ許してよ。俺だって精一杯の嘘なんだから。

『慶太郎!入るよ!まだ仕事?私、お風呂入って寝るね!7時に出るんでしょ?お弁当作るからね!』

『あー朝ごはんでしょ?コンビニでいいんじゃない?車の中で食べるんだからおにぎりとかで充分だよ』

『だってお昼だって夜も外食でしょ。朝ご飯ぐらい作るよ!おにぎりと簡単なおかずぐらいはすぐだから大丈夫だよ!慶太郎!拓海くんと寝てあげるんでしょ?寝れる?大丈夫?』

『うん。まあなんとか寝るよ。あいつが眠れるようになるまではしょうがないからね。んじゃ朝ご飯のお弁当お願いします。ゆっくり休んでね!おやすみ!千佳!』

『うん!おやすみ!慶太郎!』

はぁー。23時過ぎたな。仕事終わんねーか。6時に起きるからもう寝ないとね。拓海も寝かせないといけないけどあいつ昼まで寝てたけど寝るのかな?ホストやってただけに昼夜逆転生活だよな?生活リズムをちゃんと作らせないといけないですね。俺なんていつでも寝れるぐらい寝不足だよ。

『拓海!明日早いし寝るよ!』

『えー!もう?早ッ!もうちょっとゲームしたい!』

『じゃあ明日お前は留守番してるんだな?』

『なんでだよ!俺サーフィン久々だからちょーやりたいだって!』

『ゲームを遅くまでやってたら起きないだろ!それでなくてもお前は起きないんだから!目覚ましは離して置いてるから自分で起きなさいよ!シャワー浴びるなら自分で起きる時間考えて目覚ましセットしなさいね!俺は寝るからな!』

『嫌だ!待ってよー!やめる!俺も一緒に寝る!慶太郎にーちゃん!明日は起こしてよー!休みでしょ?休みの時ぐらい起こしてよ!』

『んじゃ平日は自分で起きろよ!起きなかったら痛い思いをするのはお前だよ!わかったのか?』

『うん!わかったよ!』

『ほら!寝るぞ!拓海!早くしなさい!』

『うん!』

もう?と言うわりにはあっという間に寝てるじゃねーか。このベッドキングサイズなのにこいつと寝ると狭い。寝相が悪すぎて無駄に動きやがるから俺のスペースがなくなるんだよ!あー寝不足で2時間弱の運転ダルいんですけど。