『中井さん!おはよう!』

『社長!おはようございます!』

『中井さん!コーヒー入れてくれる?』

『はい!すぐ入れます!』

あーねむてぇー。とりあえず現場は大丈夫かな?今日入りたくねーな。体が重い。

『もしもし?井田くん?おはよう!お疲れ!現場はどう?早朝のトラックはちゃんと定時に出た?』

『おはようございます!お疲れ様です!今の所なんとか回ってますね!トラックは定時に出ました!』

『はい!わかった!じゃあ何かあったら連絡してね。俺は事務所にいるから。お疲れ!』

『はい!わかりました!お疲れ様です!』

とりあえず今のうちに俺がやる事はなんだ?店の給料計算もしなきゃいけないんだよな。そろそろ事務員雇おうぜ。大輔くん。女を使うのはめんどくせーとか言ってる場合じゃないでしょ。俺もだけど大輔も仕事が減らないんだよ?あー電話か。

『はい!もしもし?高見です!おはようございます!長田部長!お疲れ様です!』

『慶太郎くん!おはよう!お疲れ!今日は事務所?現場?』

『今は事務所です!まあいつ現場に呼ばれるかわからないですけど。どうしました?なんかミスありました?』

『いやいやないよ!慶太郎くんの会社に任せてるんだから問題ないでしょ!えっとねー来週会議をやろうと思ってるんであけといてくれるかな?あとは現場の実績を報告書持参で来週の火曜日午前10時から始めようと思ってるからよろしくね!』

『はい!わかりました。来週の火曜日ですね。お疲れ様です!』

マジか。報告書作らねーといけねーじゃん。あー仕事増えた。だいたい仕事が片付いてる日なんて俺には皆無だな。今日は木曜だから土曜までには仕上げたいね。日曜ぐらいはチビ達の相手をしてやらないと俺はほとんど家にいないもんな。家政婦を雇いたい。ご飯を作るのが大変だ。しかも俺料理苦手だし。悠の方が上手いよ。まあ文句も言わず食ってくれるからな。虎は野菜が嫌いだからたまにわがまま言うけど。やっぱあいつは俺に似てるのか?掃除も悠がやってくれてるし夜ご飯もあいつに頼ってるよね。家事をこなす小学5年。あいつは偉いな。俺なんかそんなにしっかりしてなかったぞ。まあずっと毎日休みなく勉強だったからね。あー現場か。何も仕事が進んでねーんだけど。

『もしもし?お疲れ!はい!わかった。着替えてすぐ行くよ!』

はぁー。俺寝てないのに。体力仕事か。キツイねー。

『中井さん!俺、現場出るんで事務所よろしくね!』

『はい!わかりました!』

『原口くん!おはよう!えっと2、4、6、7番かな?11時便?』

『おはようございます!お疲れ様です!えーそうです!全て11時便です!』

『今、9時40分だからたかだか4ヶ所だし10時30分には絶対終わらせようね!俺、2番からさばくから!』

『はい!わかりました!俺は7から入ります!』

あーなんだよ。今日の入庫は誰がやったんだ?考えて置けよ。邪魔だろう。2はけっこう量あるじゃん。体が重い。2、4を俺がやればいいのかな?まさか6も俺にやらせるつもりか?

『山野くん!おはよう!今日の入庫は山野くん?』

『社長!おはようございます!はい!入庫は俺がやりました!』

『落ち着いてからさばくにしてももうちょっと考えて置いていかないとそこリフト通れないからまた誰かが動かす事になるんだよ!二度手間だよね?時間のロスだし。ちゃんと考えて置いてね!今日は俺が移動させておくから!これから気をつけてよ!』

『あっ!はい!すいませんでした!』

よし。無駄に時間食ったけど2番は終わり次は4だな。10時05分か。俺は余裕で4は終わるけどまさか原口くんは7だけで10時30分までかかるの?俺が3ヶ所もさばくのかよ?俺に頼らず現場を回して欲しいんだけどな。よし4番終わり。10時17分。もうマジか。まだ7番やってんのかよ。あと13分で俺に6番をさばけと言う事ですね。今日も店に行くのは無理だな。大輔キレるだろうね。俺だって頑張ってはいるんですけどね。ごめんな大輔。よっしゃ終わった。10時29分。ギリギリじゃん。俺がちゃんと見本を見せておかないとな。出発まで30分あるとしてもだいたい余裕を持って終わらせとくべきって事を身につけてもらわないと常に時間に追われる仕事なんですからね。

『原口くん!終わる?俺2、4、6やっといたから後はトラックの出発確認頼むよ!11時には絶対出発させてよ!』

『はい!わかりました!すいません!ありがとうございます!俺はあと5分あれば終わります!』

あー俺倒れそう。来年には楽になってるかな?とりあえず眠いけど報告書作成と店の給料計算しなきゃいけないね。よしデスクワークだな。

『あっ!社長!お疲れ様です!9時便の3番のトラックなんですが商品が2ケース足りないそうです!』

『えー?マジかよ。3番は誰かな?中井さん!データ出してくれる?』

『今出したところです。高野くんですね』

『高野くんか。んーとりあえず高野くんの携帯鳴らして』

『はい!社長!繋がりました!』

『もしもし?おはよう!高野くん!お疲れ!えっと今日の9時便の3番は高野くんがさばいて積み込んだのかな?』

『おはようございます!お疲れ様です!はい!俺がやりました!』

『2ケース足りない商品があるんだよ。積み込む前に確認はしたの?』

『え?マジっすか。すいません!いちお確認はしたんすけど』

『いやいちおの確認ではダメだよ。しっかり確認してくれないと!その2ケースの為に誰かが走らなきゃいけないのはわかってるよね?無駄に人材と時間と経費がかかるんだよ。トラックに積み込んでしまったら終わりだからね!運転手は走るだけだよ。君達が責任持って積み込んでくれないと!次は気をつけてね!』

『はい!すいませんでした!お疲れ様です!』

参ったね。誰に走ってもらおうかな?井田くんしかいないよね。

『もしもし?井田くん?お疲れ!ちょっと申し訳ないんだけど3番のコース2ケース持って走ってきてくれないかな?えっと井田くんは早番だから持っていったらそのまま飯食って帰ってきてくれたらいいから。よろしく頼むよ!』

『はい!わかりました!確認して走ってきます!』

『ごめんね!走った分のガソリン代は請求してくれていいから往復の距離書いて中井さんに出しておいてね。じゃあよろしく!お疲れ!』

『はい!わかりました!お疲れ様です!』

このミスだけは本当にやめてくれ。無駄に人材と時間を取られるのが1番痛いんだから。はぁーしんどいな。