ブラザーズ~青い空へ~

11時30分か。とりあえず現場への電話はしたし店の打ち合わせの資料をそろそろ作らないといけないな。めんどくせー。明日はサーフィンに連れて行くって約束したんですよね。ゆっくり寝れないな。拓海を起こしてくるか。悠が帰ってくるもんな。

『拓海!おい!拓海!起きなさい!コラ!拓海!起きろっつってんだろ!』

『ん?うん』

ヤバイ。虎も起きないのにさらにこいつは起きない?朝の忙しい時に手がかかるやつが増えてしまった。

『拓海!いい加減起きないとお仕置きするぞ!目覚ましてやろうか?』

『うぎゃっ!いたっ!な、なに?痛い!お尻叩かないでよ!まだ痛い!』

『拓海くん!大事な話しをするからちゃんと聞け!うちにはまだ小学1年生のチビがいる。しかも双子だ。めちゃくちゃ手がかかる。朝、起こして着替えさせて飯食わして学校へ行かせるってだけで大変なんだ。そこにお前が朝からグズグズしていたら時間がない!朝は自分で起きろ!起きてこなかったからお仕置きだ!お前は17歳なんだからみんな朝起きるくらい自分で起きてるはずだ。わかったか?毎朝尻を叩かれたらお前座れなくなるよ!』

『嫌だよ!なんでそんなことぐらいで尻叩かれなきゃいけないわけ?絶対に嫌だ!俺は起きれない!』

『起きれないって堂々と自慢げに言うようなセリフじゃねーだろ!お前はいずれ社会に出るんだよ!学校とは違うんだ!遅刻しましたで済む話しじゃない!学校だって遅刻するもんじゃないけどな。だからお前はここで訓練をするんだ!大学だって起きれないからって単位落としてたらダメだろ!しっかりしなさい!いいな!俺と暮らしてる間でしっかり訓練をするんだよ!習慣は身につけるもんなんだから!わかったな?今日目覚まし時計を2つ買ってやる!わかった?』

『うん!わかったよ!シャワー浴びたい!』

『はい!浴びて来い!』

本当にわかったかな?こいつ絶対わかってないよな。たぶん小さい頃からなんでもやってもらってたのかな?と言う事はうちの虎もヤバイのか?はあー子育てって難しい。

『拓海!俺の奥さんの千佳だよ。お前のご飯や洗濯してくれたり面倒見てくれるからな!』

『千佳ちゃん!よろしくね!いってーなに?』

『お前は本当にホストが出来てたのか?魁聖に通ってて敬語を知らねーのか?』

『いいじゃない!家族と同じでしょ。拓海くん!よろしくね!怖いお兄さんに怒られないようにちゃんと言う事聞くんだよ!シャワー浴びるの?浴びておいで!』

『うん!わかった!』

『手かかりそうでしょ?ごめんね。千佳』

『うん。そうだね。でも拓海くんはちょっと幼い感じだね。なんか止まってる感じ?何があったんだろうね?』

『うん。それがまだわからないんだけど何かはあるんだよ。あいつは1人で眠れないんだ。だから俺が一緒に寝た。何か不安な部分があるんだろうけどね』

『そうなんだ。でもかわいいじゃん!拓海くんもホストだったの?男前だけど軽そうだもんね』

『あのさーホストは軽いって構図は偏見ですよ!俺は浮気した事ないでしょ?』

『私が知る限りではないですけどね!』

『はい?知る限りも何も1度もないですよ!』

『お誕生プレゼントに豪華なプレゼントいっぱい貰うんですね』

『そうですね。もう仕事の話しはやめましょう。チビ達の友達はもう帰る時間なんですかね?』

『あーそうだね。お昼だもんね。帰らない子もいるのかな?』

『えっ!帰らない子もいるの?俺声かけてくるよ』

『うん!だって共働きの子もいるんじゃないかな?』

『龍!虎!もうすぐお昼だけどいつまでゲームやるの?お友達はお昼帰らなくて大丈夫なの?』

『んとシュンくんは帰るよね?』

『うん!僕帰る!お邪魔しました!』

『僕も塾だから帰ります。お邪魔しました!』

『僕もお母さんがご飯作ってるから帰る。お邪魔しましたー!』

『はい!んで君は名前なんて言うの?』

『ツバサ!』

『ツバサくんは僕のお友達!お父さんもお母さんもお仕事だからコンビニで買ってくるんだって!』

『そうなんだ。コンビニで買ってくるの?家のご飯で良かったら一緒に食べる?』

『うん!食べる!』

『はい!じゃあ龍も虎もツバサくんもゲームを片付けて手を洗っておいで!』

『はーい!』

『千佳!ツバサくんて子は一緒に食べるみたいだよ!』

『うん!わかった!』

『ただいまー』

『おう!悠!おかえり!昨日は楽しい誕生日を過ごせましたか?』

『うん!ありがとう!慶兄!バースデーケーキちょー豪華だった!うまかったよ!千佳さんが作ってくれた料理もやばかった!慎兄が感動してたよ!』

『そう!良かったな!お前が喜んでくれて俺は嬉しいよ!早く手を洗っておいで!』

『うん!』

『うわっ?誰?なに?双子?慶太郎にーちゃんの弟か?つうかシャワー浴びてんだけど。俺は拓海!お前らと一緒に暮らすからよろしくね!一緒に遊ぼうぜ!』

『うん!僕は虎之助だよ!拓海兄ちゃん!一緒に遊ぼう!こっちは僕の友達のツバサくん』

『僕は龍之助だよ!』

『わかったよ!とりあえず閉めて!』

『うん!早く来てね!あっ!悠兄おかえり!』

『おかえり!悠兄!』

『ただいまー。何やってんのお前ら?』

『ご飯食べるから手を洗ったの!行こう!ツバサくん!』

『うわっ?また?4人目?俺、拓海!今日から一緒に住む事になったからよろしくな!』

『あーはい。悠之心です。よろしくお願いします!慶兄の友達ですか?』

『友達じゃねーよ!俺は家出少年でホストで働いてたんだけどクビになってお前の兄貴の店で働くつもりで行ったら拾われたんだよ!』

『そうなんですか。慶兄ってそういう人ですからね。拓海兄は何歳なんですか?』

『俺は17歳!高2のはずだけど中退したからこれから勉強して大学目指す!予定だ!たぶん。いやわかんねーけど!』

『へぇー!1人兄貴増えたみたいですね。んでその顔は慶兄に殴られたんですか?』

『な、なんでわかるんだよ!』

『え?だって中学生になって悪い事をしたら俺も殴るって言われてるし慎兄って二男は何回か殴られてるの見てますからね』

『マジか!やっぱり俺もまた殴られるのかよー!慶太郎にーちゃん喧嘩強すぎだ!俺だって弱い方じゃねーはずなんだけどな』

『悪い事したらですよ!しなきゃ殴られないですよ』

『わかってるよ!』

『おい!拓海!悠!早くしろ!飯だぞ!』

『今行く!』

『拓海!お前はなんでパンツ1丁で出てくるんだよ!』

『だってTシャツわかんなかった!』

『もういい!紹介も済んだらしいな。みんな待ってるから先にご飯食べよう!作ってくれたお姉ちゃんに感謝していただきます!』

『いただきまーす!』

『龍の友達はまたご飯食べたら来るの?1人は塾だって言ってたよね』

『うん!ユウトくんは塾があるの。リョウトくんはご飯食べたらまた来るよ』

『そう。じゃあ虎とツバサくんと龍とリョウトくんで遊ぶんだね?仲良く遊ぶんだよ!』

『もう一人お昼からは僕のお友達のダイキくんが来るよ!』

『あーそう。仲良く遊んでよ!ゲームばっかりしないで外でも遊びなさいよ!天気もいいんだから』

『うん!わかった!ごちそうさまでした!ツバサくん!やろう!』

『うん!ごちそうさまでしたー!虎くん待って!』

『僕もごちそうさまでしたー!拓海兄ちゃんもやろう!』

『龍!拓海は服がないから服買いに行かないと行けないんだよ。龍はお友達がそろそろ来るでしょ。インターホン鳴ったらモニター見て玄関あけてあげなさいよ!ほら!来たんじゃない?モニター見てよ!』

『うん!わかった!』

『結局慶兄が確認してるじゃん』

『あいつらまだ怪しいからな。あれがリョウトくんかな?ダイキくん?もう家は夏休み大丈夫なの?溜まり場になるんじゃないんですかね?自分達の部屋で遊んでほしいな』

『だって大きいテレビがリビングにしかないからね。あと客室と慶兄の部屋と風呂ぐらいじゃん。テレビがあるのって。俺の部屋にもテレビ欲しい』

『ダメ!テレビゲームをする為に置くんだろ?それに家族の団欒がなくなるからお前達の部屋には置かない。リビングでゲームをやられるとうるさいけど目が行き届く利点はあるからな』

『部屋で遊んで欲しいって言ったじゃん』

『いやよく考えると部屋で何されるかわらないから目が行き届く方が安全だ。溜まり場になるならなおさらな。悠!お前は余計な所を突っ込むね!なんだ?もう反抗期か?』

『そう?俺も拓海兄の買い物について行きたい』

『なに?なんかねだるきか?お前には服と靴そしてプレゼントのゲーム。充分買ってやったと思いますけどね』

『そんなんじゃないよ!服のブランドとか知りたいから』

『拓海から余計な事は教わらなくていいからね!』

『何それー!慶太郎にーちゃん!ひでぇー!俺が問題児みたいじゃん!』

『お前は充分問題児だろ!』

『ひでぇーよ!千佳ちゃん!おかわりちょーだい!』

『お前は人の話しを真剣に聞いているのか?』

『聞いてるよ!ちょー聞いてる!』

『はい!拓海くん!食べ盛りなんだからいっぱい食べてね!』

『あのねー千佳もあんまり拓海を甘やかさないでね。こいつはこれから躾るんだから大変なんだよ』

『わかってるよ!悠ちゃん!おかわりは?』

『俺はもうお腹いっぱいです。ごちそうさまでした!』

『なんすか?なんか俺に怒ってます?プレゼントの件ですか?受け取るのも仕事のうちなんですけど』

『別に怒ってませんよ。慶太郎くん!お味噌汁ちゃんと飲んで下さいね!』

『はい!わかってますよ』

あーもう絶対怒ってますね。もう2台車が届くとまた機嫌悪くなるんですかね?参ったな。