『位置について、よーい……ドン!』


大きなピストルの音でみんな一斉に走り出す。


うわっ、早い…
どうしよう、胸がドクドク言う。

私は三走者。

順番はもう迫ってきてる。


『拓海っ!』


城山先輩の名前が呼ばれ、振り返る。

ぐんぐんと抜かして、差を付けていく。
かっこいい……


『吉川っ!』


気づくと自分の出番。
慌ててバトンを受け取る。