先輩のバカッ!(仮)




「もう一回」


再びキスをする。
さっきよりも少し長い。


「もういっ……」


もう一回。そう言おうとしたらーー……


「お前等、なにしてんだー!?」


声のする方を見ると、そこには私の担任の山本先生。


「じ、授業中だぞっ!し、しかもこんな所で……」


先生、キョドりすぎ。
まあ、みんなからキョドキョド山ちゃんって言われてるしね。


「すみません先生。」

「分かればいいんだ、分かれば。」


ウンウンと頷く先生。


「じゃあ、こんな所じゃない所でします。」


私の手を取って走り出す先輩。

こんな強引な所あるんだ。


「こらー!待てー!」


後ろから聞こえてくる先生を見て笑う先輩。

こんな悪戯な笑顔、初めて見た。