「愛美、まだだよ。」

「へ?」

「これを逆手に取って、先輩が愛美の事しか考えられなくなるようにしよ!」


明莉はいつでも私のことを真剣に考えてくれる。


「明莉、大好きー!」

「あたしだってー!」


放課後、明莉とフードショップに行くことに。


「作戦考え直しだよ。」

「うんっ!」


そして2人で向かおうとしたそのとき、


「吉川っ」


武田に呼び止められた。


「明莉、先行ってて。」

「りょーかい」


教室に残っているのは数人。
その数人も気を遣って教室を出て行く。


「あのさ…」


なんとなく続きの言葉が分かってしまう。
自意識過剰みたいでやだな。


「俺、吉川が好きだ。彼氏がいるってわかってても」


真っすぐな目で見られる。
……不覚にも少しうろたえてしまう。


「返事は、今度で良いから。じゃあな」


走り去っていく武田。

あーもう…
なんでこんなにいっぱい大変なこと起きるの?