「今度、なんかおごれよ」
「わかったー」
武田とは、クラスで一番仲が良いといっても過言ではない。
ーーー昼休み、私は速攻でご飯を食べて先輩のところに行く。
ひょこっと覗くと、そこには大好きな人の姿。
「あ、拓海の彼女じゃん。」
入り口にいたケバい先輩が、私に気づく。
「拓海ー!彼女!」
私の姿を見て、一瞬困った顔をした。
……こない方が良かったかな?
「どうしたの?」
「話がしたくて」
ふわっと笑って私の頭をポンポンする。
「中庭でも行こっか?」
「……はい!」
廊下を歩きながら私は手を握る。
たまには、先輩から繋いでくれてもいいじゃん。