それから私は、先輩に猛アタックした。
名前を覚えてもらったり、朝会うときは少し話をしたり、部活を見に行ったり、たくさんたくさん頑張った。
そして、バレンタインの日、私は先輩に告白した。
『ずっと好きでした。付き合ってください』
チョコレートを差し出す。
『ありがとう。すごい、うれしいよ』
チョコレートを受け取って、私を抱き締めてくれた。
あの温もりは、今でも覚えてる……
「じゃあここをー…吉川」
「はいっ!?」
ヤバい。
聞いてなかった。
「X=13」
ボソッと横から聞こえてくる単語。
「え、X=13です。」
「よし、正解だ。」
ほっと息をついて席に着く。
「ありがとう、武田」
隣の席の武田。
武田はいつも頼りになる。
こういう時、武田のおかげで何とかなる。

