『あの……』


先生に手当をしてもらっている間も、まだ先輩はいた。


『ん?』


にこっと微笑みながら私を見る。
……反則だよ。
好きに、なっちゃうじゃん。


『はい、おっけー!』

『ありがとうございました』


保健室のドアを閉める。

先輩と2人、肩を並べてみる。


……好きだな。
私、好きになっちゃったな。


『ありがとうございました』

『いえいえ』


手をひらひらさせながら、自分の応援席に戻っていく先輩。


『明莉ー!』

『おわっ、愛美!?』


突然抱きついてきた私に驚く明莉。


『恋、しちやった!』

『えっ?』