「…う〜ん…」




ああ…だるい…

ここは、どこ…?


真っ暗で知らない場所…

あら、私ってば、畳の上に直に寝ちゃってるんじゃない?


…なんか重い…


あれえ…私の上に覆いかぶさっている奴、誰…?


えー?…………斎藤?…経理課の。


色が黒くて、背がちっちゃい男だよね…

こいつってば、こないだ仕事でミスして、課長に怒られたら、逆ギレしたらしいね…


そういえば…斎藤が25歳だって社内報に年齢出た時、皆でびっくりしたなあ…

私なんか40歳くらいかと思ってたあ…

尚哉も呆れてたっけえ…
あいつ、若さ全然ねーなあって…



うわ……!な、な、何…?

斎藤ってば、なんで顔近づけてくんの?

…めっちゃ酒臭いし!


ヤダッ!
ちょっとお、耳にキスしないで〜
もう、ビチャビチャいっちゃってるじゃない〜


うわあ、気持ち悪い音がするって〜…

耳たぶ、こねくり回すのやめてー………



…でも……
避けるの面倒臭い…
怠くて起きたくなあい……




「奈緒子、こんな場所でごめん。でも、優しくするから。
次はもっといいところで、
愛し合おうね…」