気がつくとそこは、見知らぬ…って言いたいところだけど、なんとか目的地にに着いたみたい。
ふうぅ……よかった…。
あたしたち家族が行く場所の近くには、よくテレビの撮影で使われる街のセットがある。
でも…いきなり……?
んまぁ、いっか(笑)
起き上がろうとすると、身体中がズキズキして痛かった。てか、痛すぎて起きれないのが現状。
しかもなんであたし、道の真ん中に寝っ転がってるの?
あたしの周りには着物を着て、髷を結った人とかみんな本格的にコスプレしてた。
撮影ってこんな感じなんだ!
「お前さん、こんな所で何しとんのや。」
「それに……不思議な着物着とるなぁ(笑)」
口々にあたしを見てコメントする人たち。……ん?
不思議な着物……?
あたしは痛みをこらえて上半身だけゆっくり起こした。
寝っ転がってたからよく見えなかったけど、昔の日本にある家屋がズラリと並んでた。
「…すみません……つかぬことを聞きますが、今何年ですか…?」
あたしから「つかぬこと」なんて言葉が出てきたなんてどうしたんだろう?
明日雪が降るな……なんて思ってたら予想外の答えが返ってきた。
「何言うとはるのお嬢さん(笑)
今は文久3年やで(笑)」