「…あたしは神崎志穂です。」
「そうか…」
名前教えたんだから、そっちも言ってくれても…なんて思ったけど、この場の空気からして
自己紹介して、はいよろしく、仲良くしてね、みたいなことじゃないと思う。
今ちょっとだけ危ないかもって思った。
「…歳は」
「17歳です」
「出身は」
「東京です」
「……は?」
「え?」
なんか可笑しいことでもあたし言った?
土方さんはまたも眉間に皺を寄せた。
そんなに寄せたら跡残っちゃうよ~勿体無いなぁ~。
土方さんは見た目かなりイケメン。
んまあ光くんとどっちかって言われたら、断然光くんだけど♡
「…おい、東京ってなんだ?」
「東京は東京です。
江戸城があるとこ…知らないんですか??」
「そこは江戸ではないんですか??」
土方さんから質問を受けて、あたしが答えたのを『先生』が質問で返してきた。
……まって、江戸って言った?
さっきちょっとだけ思ってしまった予想外だけと、万が一の展開を思い出して血の気がサァーッと引いていく。
「…つかぬことをお聞きしますが、今何年ですか?あと、ここどこですか?」
「…あ゛?
今は文久三年、ここは壬生浪士組の屯所だ。」
…??
それさっきも言われた気がする。
西暦何年なのよ。
どや顔で言われたけどすんごい困る。