暫く、『先生』にお姫様抱っこされた状態で街を歩く。
あんまり人がいないので、新撰組の人たちは困っていた。


「そんなに警戒されてもなぁ~
街の様子がこれじゃあまったくわからないじゃないですか~。」



呆れながら言った『先生』は何かあったのか、急に歩く足を止めた。
…え?なにごと?


それに従って他の人も剣を鞘から抜いて身構えた。


いきなりなんですか?
わけわかんない。


「そんなに身を潜めても気配がわかってしまうんですよね~まだまだ未熟ですね…。」



先生がそう言うと周りの死角から5、6人の男たちが現れた。


「……あの…?」


「いいですか、私が肩を叩くまで耳と目を塞いでおいてくださいね?」


そういうと『先生』はあたしを左肩に乗っけると、右手だけで抜刀した。


相手の一人が叫びながらあたしと先生に斬りかかってきた。


「沖田ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」



やばい……斬られるっ!!!







必死に目を瞑り耳を両手で塞いだ。
もう遅かったかもしれないけど。



…でもなかなか痛みがないので目を開くと、斬りかかってきた人は背中を血まみれにして倒れていた。


何が起きたの?
まさか……片手で倒したっていうの!?