そんなある寒い日の日曜日。



いつものように健太郎君が中庭に居ると、ハクモクレンは少し寂しそうにしながら

「僕には、兄弟が居たんだ」

とつぶやきました。


健太郎君は続きを待ちました。


二人には時間がたくさんあって、急いで話す必要はありませんでした。


ハクモクレンは何かを思い出しているみたいに、空を仰ぎ、遠くを見つめました。

そして大きなため息をつき、話し始めました。