正面のガラス越しに中庭があって、土がカラカラに乾いていて、ハクモクレンの木だけがこちらを向いていました。

白いアクリルの板に名前がそう書いてありました。

だけど、その字も薄くなっていて、今にも消えてしまいそうでした。