あなただけでした…

『拓也な、小さい頃から心臓が弱くて、度々通院していた時期があってな。
中学生からは全く病気は発症しなかったんだ。

でも、高1の冬、ちょうど雅ちゃんの誕生日くらいに急に体調が悪くなって
病気に言ったら


”白血病“
と診断されたんだ。

拓也は自分の病気より真っ先に雅ちゃんの心配をしてた。
雅を1人にしたくない。
雅を悲しませたくない。

そんな一心で治療に踏み切ることにしたんだ。

どんな辛い治療にも
耐えて雅ちゃんに会う為に真っ先に病気を治すことに専念したんだ。


でもな…
病気の進行が思いのほか早くて…。

拓也がこのことだけは絶対に雅には言わないでくれ。雅だけには悲しい思いさせたくない。


俺なんかより
雅を大切にできる強い人が雅のそばにいるべきなんだって。
今の俺じゃ雅を幸せにできないかもしれない」