「はあー…」


僕は、部屋に着くなりドサッとベッドへ倒れ込んだ。家を探すのに疲れた身体が、ふかふかのベッドによって少し和らいでいく。嗚呼、きもちいー……。
これから色んな人との同居生活が始まるんだよなあ。そう思うと少しにやけてくる。しかも、向かいの部屋は、あの魁王先輩だ。これはもう、幸運の中の幸運としか言いようがない!
そういえば、魁王先輩や篠崎くん、柊先輩以外に誰がこのシェアハウスに住んでいるんだろう。下に住民票みたいなのがあったっけ。
僕はベッドから降りると部屋を出た。


「…にしても、部屋の数が多いなあ」


ずらりと並んだ部屋。二十はあるだろうか。何でこんなに部屋を作ったんだろう。疑問だ。
そう思ってつったっていると、後ろから声がかかる。


「あり、もしやのもしやの新人くん?」


これまた聞いたことのある声。……でも、ちょっと苦手だった声だったような。
恐る恐る後ろを振り替えってみると、其処にはヒラヒラと手を振っている金髪のいかにもチャラそうな人が立っていた。

……予感的中。