校内。
あのあと、魁王先輩と別れて、俺は自分の教室に向かった。
新しいクラス。一体、どんな人がいるのかなとワクワクして。


「にしても、綺麗な校内…」



そう、確かに綺麗なのだ。よく整備されていて、壁も床もピカピカ。
まるで、お金持ち学校のようだ。
なんて思っているうちに、自分の教室の前に立っていた。
ドキドキと五月蝿い心臓を黙らせて、俺は、教室に入ろうとする…が


「あれ、あんた、もしかして八王子くん?」


急に後ろから掛けられた声。
この声も聞いたことがあって。とても懐かしい声。
振り向くと其処には、綺麗な笑顔を見せた、篠崎要君が立っていた。


「おお、やっぱり!久しぶりだな」


ニカッと歯を見せて笑う篠崎くん。
本当に、久しぶりだね。何にも変わってないよ、うん。