ホントに好きだった

“好きとか思ったことねぇよ”
うそ……
うそ、うそうそうそ。
“愛してる”って言ってくれたじゃん。
“ずっと一緒にいようね”って言ってくれたじゃん……。
遊び、だったの………?
「うぅ………ヒック………」
やだ、私何回泣いてんの……?
「さ、入るぞ」
やだっ!
やだよ、やだ。
助けてっ……、山下君…!
相変わらずホテルの中に連れ込む拓哉。
「イヤっ…!離してよ!」
お願い、誰か………山下君!!
願いって、願えば願う程叶わないんだね。
部屋に着いちゃったじゃん。
神様なんて、やっぱりいない。
「マナ……」
イヤ。
イヤイヤイヤイヤ。
私の名前、呼ばないで…。
ホントに好きだったのに……。
「拓哉……付き合ってあげる」
キョトンとした拓哉。
前の私だったら“可愛い”って思うんだろうな……。
人って心変わり早いよね。
いつも思う。
あんなに好きだったものを嫌いになっちゃうなんて。
「いいの?」
急に犬みたいになった拓哉。
「………その代わり」
ゴクンとツバを飲み込んだ。
「その代わり?」
「今日は、しないで」
これが作戦だとバレませんように…。