「マナ……」
しばらく放心状態だった私。
拓哉の声で我に返った。
「今の、彼氏なんだってな…？」
彼氏？？
あ、そうだった。
誤解は解かなきゃ。
「付き合ってないよ。味方してくれただけ」
あ……。
“味方”なんて、まるで拓哉が悪者じゃん。
「ち、違うの。悪者とかじゃなくて、別れた事、知ってたから……」
クスクス、という笑い声が聞こえた。
？？
「マナ、変わってねぇな…」
ドキン…
バカ……。
忘れられると思ってたのに…。
「そういう拓哉もね」
そうして２人は笑い合った。
「マナ、会いたい…」
え……？
会い………たい？？
「正気？？」
嘘だよね、うん。そうに決まってる。
「マナちゃ～ん、現実逃避はやめましょう」
ギクッ…
「俺は本気だよ」
ドクン、ドクン。
私、会いに行く…。
「いいよ、どこで会う…？」
「じゃあー、…………」
私、今日けり付けるから。
見てて。
マキちゃん。
山下君……。