ホントに好きだった

拓哉と付き合ってたし、拓哉しか好きじゃなかったから振ったんだった…。
“振り向かせる”
「いつまで私のことを好きなのよ…」
「…………ホントはさ、」
え?
い、今のっ………!?
ガチャ…。
ドアを開けて入ってきたのは……山下君だった。
「………山下君!?帰ったんじゃ……」
スッと何かを持ち上げた。

携帯……?
あぁ、忘れてたのか……。
「で、ホントは何??」
同級生ということを知り、少しため口になった。
「ホントは、お前のこと好きじゃなかったんだ……」
え?
それってどういう……。
聞こうと思ったけど、黙って次の言葉を待った。
「最初は賭けだった…。でも、拓哉に一途なお前に凄い惹かれた」
え……?
「拓哉にフラれたって聞いてすげぇつらかった」
「つらい??どうして……?」
その瞬間、山下君が唾をゴクンと飲み込む音がした。
「お前は拓哉しか見えてねぇのに……アイツはいつも他の女を見てた…」
チクンと胸が痛んだ。
薄々気付いてはいたんだ。
拓哉は私を見てないこと……。
「俺がどうあがいたって手に入れられねぇもんをアイツは持ってんのに……馬鹿にされてたみてぇだ……」
山下君………。
なんて慰めてあげればいいのかな…。
そんなことを考えているうちに、時間は刻々と過ぎていった…。