<愛美side>
何………これ？？
キス………………!?
「んーんんーーーー！！」
思いっきり抵抗してみるも、男の人の力には勝てない私…。
そのまま終わるまで待ち続けた。
「ヒック………」
私、また泣いてる……。
「愛美……？」
泣き始めたのが分かったのか、唇を離した男の人。
「うぅ…………ヒック…」
拓哉ぁ………、
会いたいよ……。
助けて…。
「…………ごめん」
男の人が急に謝ってきた。
「え？……グスッ…」
「俺、お前に振り向いてほしくて…」
振り向いて…？？
初めて会ったのに？
いつの間にか涙は乾いていた。
「…愛美は覚えてねぇーんだろうな…」
切なそうに笑う男の人を見て、何か悪いことをしたような気持ちになった。
「……………」
「……………」
しばらく沈黙が続いた。
「愛美、連絡先教えとくから何かあったらかけてこいよ…」
連絡先……。
「ここにかけて、じゃあな。今日はほんとごめん」
バタンという音と共に周りが静かになった。
………これ…！？