文化祭☆LOVE 【完】


 翌日から練習が始まった。
「そこはもっと淡々と!!」
「もっと力抜いて」
 監督さんは、意外と厳しい。
 …だけど、1人だけ、ほとんど注意されない人がいた。
 それは、もちろん…
「新川くん…あんた、演劇部来なよ。 その才能でサッカー部なんてもったいないよ…」
 そう。
 演劇部の子が困ってしまうほど、新川くんは演技の上手さも抜群だった。

 1週間後、いよいよクランクアップ。
「じゃあ撮影いきま~す」
 カメラさんの言葉に、一気に緊張するあたしたち。
「よーい、スタート」
「おはよう、楓」
 親友があたしの方に駆け寄ってきて。
「おはよう」
 あたしがあいさつを返すところから、この物語は始まる――。