文化祭☆LOVE 【完】


 胸の高鳴りは、家に帰っても止まなかった。
 どうして……?
 …まさか。
 まさかあたし、新川くんのこと…好き??
 …そんなわけがない。
 そう思おうとした。
 だけど、心とは裏腹に、閉じた瞼の裏側に映るのは。
 新川くんの意地悪な顔。
 新川くんのおどけた顔。
 新川くんの笑顔…。
 そして、耳に残っている声は、
「サンキューな。 おつかれさん」
 新川くんの声。
 …やっぱり、心に嘘はつけない。
 あたしもいつの間にか、ほかの女の子たちと同じように、新川くんに…心を奪われていたんだ。