胸の高鳴りは、家に帰っても止まなかった。 どうして……? …まさか。 まさかあたし、新川くんのこと…好き?? …そんなわけがない。 そう思おうとした。 だけど、心とは裏腹に、閉じた瞼の裏側に映るのは。 新川くんの意地悪な顔。 新川くんのおどけた顔。 新川くんの笑顔…。 そして、耳に残っている声は、 「サンキューな。 おつかれさん」 新川くんの声。 …やっぱり、心に嘘はつけない。 あたしもいつの間にか、ほかの女の子たちと同じように、新川くんに…心を奪われていたんだ。