震える声で、 『もう大丈夫だよ』 と言って。 いろんな人に、出会って。 たくさん、救われて。 今、 華やかなこの舞台に立つ私は、どう見えるのだろうか。 願わくば、あの碧の彼女に。 あの、深緑の彼に。 まるで母のような温もりで抱きしめてくれたあの手を、 もう一度。 * 「着いたー!」 そう、ルトが晴れやかに叫んだのは、昼過ぎのことだった。