月夜の翡翠と貴方【番外集】



「……ん…ル、ト」


は、と唇を離して、酸素を吸い込む。

…一応、ここは外。

人通りは全くと言っていいほど少ない小道だが。


「可愛い」

目を細めて、ルトが私の頬に口つける。

ルトの仕草ひとつひとつに、いちいち心臓が反応する。

まぶたにキスが落とされて、髪にもキスが落とされて。

ルトが触れたところが、熱くなる。

彼と目が合うと、優しく微笑まれた。


…自ら手を伸ばすことができなかった、一ヶ月。

自分を制して、近づきすぎないように、と壁を作るように避けたりして。

そうやって一ヶ月のなかで、心の奥底で積もっていった、お互いの激情。