月夜の翡翠と貴方【番外集】



……以前、ルトとミラゼがリロザからの依頼を受けたとき。

私は男に捕まってしまったが、どうすることもできなかった。

けれど、今なら。

私は自分で、自分を守ることができるのだ。


「負けられないの、私」


ぐっとナイフを握りしめ、男達を見つめる。

窓から風が入ってきて、私の碧の髪を揺らした。

その瞬間、駆け出す。

息を切らしながら、男達にナイフを刺していく。

いつしか全員が痛みに倒れこみ、私の周りに転がっていた。


荒い息を整えながら、木箱の方へ向かう。

歩み始めたとき、突然扉の方から剣を持った男が入ってきた。

「!」

まずい。

あんな長剣、相手にできない!

目が合った瞬間、男が剣を振りかざして走ってきた。

逃げようにも、こんな狭い室内では限界がある。

その剣が私の脇腹に向かって振られるのを、目を見開いて捉えた。

「っ、!」

よけようと身体を動かしたが、間に合わない。

鋭い痛みが走り、男の剣が私の脇腹をかすった。