さわ、と窓から風が入ってくる。
髪が揺れ、私は目を細めた。
……ルト。
私は私を、好きになりたい。
扉のそばに立つと、私は大きく口を開いた。
甘く、綺麗な声を出して。
「ねえ、この扉を開けてちょうだい」
*
……カシャン。
最後のひとりが、剣を手離して倒れた。
それを目に映して、俺は息をつく。
…終わった。
やっと、終わった。
周りに広がるのは、血の海。
黒の正装姿をした男達が、何人も倒れている。
そのあまりの血の匂いに、吐き気を催しそうになった。
「…はぁ、はぁ、はっ……ゲホっ」
荒い呼吸で咳き込み、座り込む。
……死ぬかと、思った。
こんな人数、ひとりで相手にしたこと、ない。
それこそ、死に物狂いだ。
喉が乾き、息は切れ、足がふらつく。
目の前に広がる光景を見て、俺は目を細めた。
そして無意識に、つぶやく。
「………人殺し……」
…そう、呼ばれたこともあった。
血で赤く染まった剣が、俺を責めているようで。
剣を持った、手が震える。
ネオとタツビのためとはいえ、やはり気は重かった。



