月夜の翡翠と貴方【番外集】



「……ふたりとも、起きて。立って」


私の言葉に、ふたりは何かを感じたのか、ハッと目を開いた。

周りを見回し、適当な大きさの木箱を探す。

積み上げられた木箱のうち、部屋の隅に置かれたものを指差した。

小声で、「ここに入って」と言う。

ネオとタツビは、戸惑いの表情を浮かべた。

「…入って、って…」

「このくらいなら、ふたりとも入れると思うんだけど…無理かな」

ネオが、「そうじゃないわ」と首を横に振った。


「…ジェイドさんは、どうするの?」


その瞳は、不安気に揺れている。

…ルトは、『絶対に助けに行く』と言っていた。

だから私も、『絶対に』ふたりをここから連れ出す。

私は……


「やれるだけ、やってみようかなって」


扉の外にいる見張りを示すために、扉を指差した。

短剣を持って笑う私を見て、タツビが「あぶねえよ」と言う。

「そうよ。ひとりで相手にするなんて、無茶だわ」

心配してくれるふたりの背中を押して、木箱の前に立たせる。

箱をゆっくりと、開けた。

「…大丈夫だから。ここに隠れてて。早く」

もう、時間がない。

そう言った私に、ふたりは眉を下げる。