「……ねえ、ルト」
意を決して、話しかけてみる。
彼は穏やかな表情で、「ん?」と返事をした。
「…えと…あ、あの、ね」
彼の目を見ていると、なんだか自分がとてつもなく恥ずかしい事をしようとしているのではないかと思えてくる。
口が上手くまわらない。
まだ何も言っていないのに、顔だけが熱くなっていく。
私の様子に、ルトは不思議そうに「どした?」と言った。
「ゆっくりでいいよ。慌てなくて」
ルトは立ち止まって、私の目線に合わせてくれた。
その気遣いが、余計に私の羞恥心を煽る。
私は少しの間うろたえたあと、大きく口を開いた。
「……っわ、私、ルトが好き」
はあ、と一呼吸して、ルトの目を見る。
彼は、目を見開いてぽかんとしていた。
「…え、なに。それ言おうとしてたの」
「……ロディー様を見てて、私はあんまりこういうの、言ってないなと思って」
目をそらしながら、噛まないよう懸命に口を動かす。
ルトはしばらくぽかんと私を見つめていたが、やがて嬉しそうに「ははっ」と笑った。



