…こうやって、永遠に彼の隣にいれたら良いのに。
寝顔を見つめて、癖のある髪に触れて、深緑の瞳に囚われて。
どんなに幸せだろうか。
ずっと隣で、あの暖かい手のぬくもりに、包まれていられたら。
*
ふと目が覚めて、私は辺りを見回した。
窓の向こうは、真っ暗だ。
…深夜。
部屋に薄く、月明かりが射し込んでいる。
隣で、いつも耳にする寝息が聞こえる。
ジェイドはなるべく物音を立てないよう、ベッドから降りた。
そして、そのまま部屋の扉を開ける。
ぼうっとした意識のまま、私は足を動かした。
*
「…おや」
階段を降りて、宿の広間へ向かうと、見覚えのある金髪が見えた。



