月夜の翡翠と貴方【番外集】



…こうやって、永遠に彼の隣にいれたら良いのに。

寝顔を見つめて、癖のある髪に触れて、深緑の瞳に囚われて。

どんなに幸せだろうか。


ずっと隣で、あの暖かい手のぬくもりに、包まれていられたら。







ふと目が覚めて、私は辺りを見回した。


窓の向こうは、真っ暗だ。

…深夜。

部屋に薄く、月明かりが射し込んでいる。

隣で、いつも耳にする寝息が聞こえる。

ジェイドはなるべく物音を立てないよう、ベッドから降りた。


そして、そのまま部屋の扉を開ける。

ぼうっとした意識のまま、私は足を動かした。





「…おや」


階段を降りて、宿の広間へ向かうと、見覚えのある金髪が見えた。