月夜の翡翠と貴方【番外集】



それだけ、いらないということなのだろうか。


…私との、夜なんて。


ああ嫌だ、と思いながら、ベッドへ入る。

ルトの隣にいたい、という思いは確かに強いのに。

私はルトの隣にいてもよい、とは、全く自信をもって言えない。


レンウの鋭い視線から、逃げてはならないと思った。

しかし、もしも弱さを見抜かれてしまったら、という不安が心の奥底に潜んでいたことも、確かだった。


もしも、ただの奴隷だと知られたら。


もしも、なにもできない役立たずな女だと知られたら。


…私は、どうすれば良いのだろうか。


隣で静かに寝息を立てる、愛しいひとを見つめる。