「…おい、レン……」 突然の行動に眉を寄せたルトがレンウを呼ぶと同時に。 …こちらをちら、と上目で見ると、レンウが私の手の甲に口つけた。 「はじめまして、綺麗なお嬢さん。レンウ・ゼリカです。偽名だけど、よろしくね」 にっこりと微笑むレンウと裏腹に、私とルトの顔は石のごとく固まっていた。