…ルトが、わからない。
ルトにそんな気はないとしても、私は彼の『そういう欲』を満たすためのものでも、正直構わない。
私は一緒にいたい。彼に支配されていたい。
その願いだけで、充分だ…と。
つい、この間まで思っていた。
けれど、だんだんと私自身に欲がでてきている。
欲しい、と。
彼の心がまるごと欲しい、と。
…そう、願うようになっていた。
だからこそ、『彼の全て』が欲しい。
…ああ、嫌な欲だ。
どんどん、欲深くなっていく私。
私は奴隷で、ルトは主人で。
決して、馴れ合うことなどあり得ない関係。
けれど、ルトは私に『好き』だと言った。
そのことがまず、信じられないというのに。



