最初高橋さんを見たとき俺は一目惚れをしてしまった。
一目惚れってほんとにあるんだ。
「どーしーた?
蓮~?」
「悠人、俺は恋をしたよ!」
「はぁ?
誰にだよ。」
「高橋さん。」
「あの高橋!?
あれはさすがに蓮でもきついよ。」
「何でだよ?」
「高橋に今まで告白してきた奴なんて何人もいるけど、高橋は誰一人オーケしたときないんだぞ。
あの丸山先輩でも振ったんだぞ!」
「丸山先輩振るとかすげー!」
「だからいくらお前でも無理。」
「いや、無理だ。」
悠人が呆れている。
「まぁ勝手にしろ。」
「うん。」
悠人のこういう所が好きだ。
昔からずっと文句言いながら俺のこと見守ってくれる。
俺の自慢の親友。
だから悠人には何でも言うんだ。
「なぁ、俺いつ告ろかな?」
「しらねーよ。
自分で決めろ。」
「じゃあ今から。
さらば悠人!」
「おいっ!
蓮!待てよー!」


「いいよ。」
高橋さんはそう言ってくれた。
だけど高橋さんは俺のこと知らなかった。
当たり前か。
いきなりすぎるし。
多分高橋さんは俺に全く興味がないんだろう。
目が笑っていないから。
どうでもいいという目をしているから。
けど彼女は笑った。
一瞬だけど笑った。
その笑顔はかわいくてついみとれた。
その時俺は高橋さんの全てを俺の物にしたいと思った。