「そのこと、なんだけどね…」

訳を話そうとした私に、
「ただいまー」

6歳下の妹、桃が大学から帰ってきた。

「あれ?

若葉ちゃん、早いね」

リビングに入ってきた桃がマフラーを外しながら言った。

4姉妹の私たちは両親が仕事で海外に赴任しているため、一緒に暮らしている。

「実はね…」

私は妹たちに約1時間前に起こった出来事を話した。

「マジ!?」

先に声をあげたのは桃。