ツヤのあるストレートの黒い髪に、晴れた空を思い出すような碧い瞳。

彼だった。

コック服を着ているけど、間違いなくあの彼だった。

「お姉ちゃん、どうしたの?」

つぐみが不思議そうに聞く。

「あ…ううん、何でもない」

首を横に振って答えた。

「4名様でよろしいですか?」

彼が聞く。

「はい、4人です」

手で4を作り、真里が答える。

「では窓際の席が空いていますので、どうぞお座りください」

彼は丁寧に私たちを席へと案内した。