「本当に?

 他の先生たちに
 迷惑かけてない?」


「かけてない。
 かけてない。
 
 迷惑っていったら、
 D組の方が
 いい噂きかないな。
 
 この間も、D組の子たち
 多紀先生の授業、放棄したのかな?
 
 多紀先生が、泣きながら
 授業時間なのに
 走り去ってたの、
 教室から授業受けながら
 見たし」


わざと……。

唯ちゃんと同じくらいの
多紀先生をネタに使って
会話を続けようと
思いつくことを切り返す。



駅からか学校まで
そう遠くない道のり。


生徒たちが
通学する合間を
唯ちゃんと二人並んで
歩いていく。