そして雪貴が、ピアノコンクールの
予選時に演奏したオリジナルの
ピアノ協奏曲から抜き出されたフレーズが
間奏部分に紡がれていて。



彼ら二人の持つ
全てがキラキラと輝くように
光を放つ優しい歌。



そして十夜の、甘い声が
何処までも優しく、
会場内に降り注いでいた。






歌い終わった後、
シーンと静まり返った会場は
不気味さにも似た空気が
漂っていたけれど…………
暫くしてから、神聖な空間へと
一瞬のうちに姿を変えていった。






「さぁ、唯ちゃん。
 こっちおいで」




あっ、十夜の小悪魔尻尾が
チラチラ見える。


手招きされるままに
引き寄せられた私は…………
ステージ中央。



「TAKA。
 お前もこっち」




こんな場所で、向かい合わせに
立たされる私と雪貴。



「唯ちゃん、
 TAKAのプレゼントは届いたよな。
 
 一回きりの非売品。

 この曲は、今日一回きり。
 TAKAからのLove Songな。
 
 俺らも協力した。
 唯ちゃんの返事は?」




ふえっ?

へっ、返事…………。






いやぁー。
会場、シーンと静まり返らないで。






鼓動の音だけが
ドクンドクンと…………
高鳴って、この会場の全てに
響いてしまいそうなほどに
広がっていく錯覚にすら陥ってくる。






「唯ちゃん。
 一緒になろう」







柔らかく降り注いだ
雪貴の声に…………
私はその胸に飛び込んだ。










 ETERNITY
-I love you forever-








いつまでも
永遠に…………
私は貴方を愛しています。














その柔らかな羽根は
私の心の中に浸透して、
しみわたっていく。