十夜さんの声が、
静かにシーンとした空間
広がっていく。


今回はこの曲もピアノなしバージョン。


ドラム、トリプルギター・ベースで
演奏する、特別バージョン。



その演奏の後、祈さんと二人、
今度は俺自身が唯ちゃんの為に
作った曲を演奏した。


演奏を終えた後、
託実さんがゆっくりとマイクを握る。


「先ほど祈と演奏した曲の中に、
 Takaと今、騒がれている唯香さんとの
深い記憶が沢山詰まっています。

 今この場にいる皆さんの心に、
 Takaの純粋な思いは届いたでしょうか?

 それでは、
 Takaの今の声を受け止めてください」
 


託実さんからバトンを渡すように、
マイクを手渡される。



マイクを握りしめて、
ゆっくりと深呼吸。