十夜さんがサラリと告げた言葉に、
トキメク心。
そして身をひいてしまいそうになる私。
そんな私の変化を見逃さなかった
百花はただ黙って、
私の手を繋いでくれた。
「大丈夫。
私や託実が傍に居るから。
十夜さんも憲さんも居てくれるでしょ。
唯香の周りには、
ちゃんと今は仲間がいるじゃん。
隆雪さんと雪貴が出会わせてくれた
大切な仲間がさ」
そんな言葉に支えられて、
私は百花の結婚式のその日まで、
アイツの陰に脅かされることなく、
学院生活と通勤を終えることが出来た。
そして百花の結婚式当日。
十夜さんと共に、
憲さんの運転する車で
赴いた挙式会場。
それは伊舎堂グループのホテル。
正装姿の裕先生や、裕真先生が
会場に集まった沢山の来客たちと
談笑していた。
「おはよう。
唯香ちゃん、
託実から聞いて心配していたけど、
少し落ち着いたかな。
困った時には何時でも来るんだよ」
そう言って私の前から立ち去っていく裕先生。
そして……久しぶりに見かけた、
雪貴の姿。
「唯ちゃん」
そう言って両手を広げてくれた
雪貴の胸に飛び込んだ瞬間。
微かに光った会場内。
だけどそんなことを、
気にすることもなく私は雪貴と一緒に
新婦の控室をたずねる。



