どうして?

彼女もAnsyalのファンとか?


いやっ、マテっ。
冷静になれ。



さっきまで、アイツのせいで落ち込み気味だった
テンションが思わぬ展開に、
少しずつ楽しさを取り戻していく。



気が付くと憲さんも車を降りて、
憲さんが運転していた大きな車は
どこかへホテルの人が移動させていった。



「どうぞ。
 最上階に案内するよ」


そう言って進められたエレベーターは
クリスタルホテルの異名通りの、
ガラス張り。



キラキラと輝く夢のような空間を
最上階へとエレベーターは加速していく。


加速していくのはいいけど、
クリスタルすぎるのも、
どうかと思うよ……。


途中、あまりに高さに足がすくみだした頃
エレベーターは静かに止まった。



「何?
 唯香さんは高所恐怖症?」


いやっ、
そういうわけじゃないと思うんだけど……。




案内された部屋は、
めっちゃ高そうな部屋で、
部屋には豪華なシャンデリア。


備え付けのキャビネットや、
大きなベッド。



広い浴室には、
ジャクジーまでついてた。



えっ?何?




あまりの空間にとたんに居心地が悪くなって
部屋の片隅に身を縮めたくなる。